2014年12月17日水曜日

一橋ビジネスレビュー

新しい一橋ビジネスレビューができました。
今回の特集は「小国のイノベーション」です。

スイスやオランダのフードバレー、シンガポールやイスラエル、デンマークなど面白い事例がたくさんです。「小さいけど、強い!」ところからは学ぶことがたくさんあるはず。

僕は青色LEDのノーベル賞受賞についてと、
味の素のアミノインデックスのケースを書かせてもらっています。

ぜひ!


2014年12月6日土曜日

企業の新規事業提案

先日、ある企業の社内の新規事業提案の審査員として招いていただいた。
イノベーションを研究しているので、やはり企業の新規事業は大きな関心事。
新事業提案の審査はいくつかこれまでもやらせてもらっているが、
ここの企業がすごかったのは2つ。

1つ目は、その継続性。今回で30回目だそう。最近は隔年開催。
ずっと新規事業の提案をやっていると、その中から実際のビジネスに結びつくものもでてくるという。「良い提案なら実行される」という組織が創られるのはとても強い。

2つ目は、参加者の意識。みなさんが、「ぜひ自分でこれをやらせてほしい!」という思いをもって臨まれている。やらされている感じはない。しかも、全社的なコミットメントはすごい。会場での発表や質疑応答は全社的に様々な支店や関係会社に中継(Ustreamだったかな?)されている。この当事者意識の高さが組織レベルで高い水準にあるのはやはり大きな力になると感じた。


シドニーでの学会発表

Asia Pacific Innovation Conferenceで発表を行ってきました。
われわれの発表は、スーパー繊維と言われる高機能繊維ビジネスにおける日米欧の事業展開の早さについてでした。共著者の星野さんはだんたん発表がうまくなってきてる。ご苦労様でした。

初めてのシドニー。
シドニーは清潔で住みやすそうな印象。でも、物価は高い。





2014年11月13日木曜日

異業種の研修も良い

今日は日本政策投資銀行が主催する研修講師。
この研修は、ここのところ数年やらせてもらっているもの。
製造業を中心に様々な企業から組織の中でまさに中堅としてバリバリやっている方が20名ほど集まるもの。

普段の企業研修は一つの会社がほとんど。なので、その会社に絞っていろいろ調べることもできる。異業種の場合には、それができないのでどうしても話は一般論になりやすい。だから、研修としては異業種ではない方がやりやすかった。

けれど、最近、こういった異業種の人を集めた研修も良いかなと感じるように。こういうところから新しい結びつきができてくるのかも(と良いな)。企業の間を超えたネットワーキングとしても良いし、他の会社のバリバリのミドルにふれると自社への波及効果も大きいのでは。

2014年11月3日月曜日

冬学期の始まり

冬学期が始まりました。
4年生は卒論です。

ゼミに、日本の「人事部長」の中澤さんに来てもらいました。
学生からの多くの質問に熱くこたえてくれました。
お忙しいところ、ゼミの後にもお付き合いいただきました。
ありがとうございます!

2014年9月30日火曜日

シンガポールのデサント社への事業提案

3~4年生のゼミで、シンガポールのデサント社への事業提案に行ってきました。今回が初めての海外というゼミ生もちらほらいるなか、心配もあったのですが、20人ぐらいの大所帯で思い切って行ってきました。
4つのグループが事業の提案をしました。それぞれ良いフィードバックをもらったのではと思います。きっと新興国市場を切り拓くフロンティア・スピリッツを感じられたのでは。清水ゼミの夏合宿は、一昨年は長野、去年は仙台、そして今年はシンガポール。来年はどこだろう。




2014年9月10日水曜日

横浜市立大学医学部からデロイトへ

今日は、横浜市立大学医学部で予防医学をやっている栃久保先生にお話を聞きに。
アミノ酸を中心にした予防医学の可能性をお聞きした。

  • アミノインデックスは、ガンのスクリーニングも良いが、それよりもメタボリックのスクリーニングにも大きな可能性がある
  • アミノ酸は、カラダの栄養素の中でも中心的なもの。それのバランスを見ていくのは病気の予防、健康長寿において極めて大切
  • これが大きく社会に広まるかどうかは、高齢化社会を迎える先進国にとってとても大切なポイント
  • そのためには、ビジネスとして成立するような仕組みが大切
などがとても新鮮



















その後は、有楽町に移動して、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーで化学産業の用途開発について少しだけ話しを。素材系の産業の用途開発はチャレンジングだけど面白い。
でもオープン・イノベーションには若干のりづらいのかも。

タイに行ってきました。

タイのタマサート大学に行ってきました。
オープン・イノベーションのプロジェクトの発表と、タマサート大学でのBusiness Historyについてのパネルに出席しました。

タマサートのパットナリーさんは、ゼミの後輩です。
海外で活躍しているのは嬉しい。パットナリーさんはタイ出身なので、彼女にとっては自国ですが。




2014年9月6日土曜日

『一橋ビジネスレビュー』

新しい『一橋ビジネスレビュー』の秋号ができました。
今回の特集は、ベンチャーとIPOです。
野間さんが責任編集の力作です。

僕も、就実大学の三浦さんと一緒にビジネスケースを書いています。
ケースは、「モノリシック2波長高出力半導体レーザー:キャッシュカウを育てる成熟市場での戦略」
です。ぜひ!

こうやって研究したものが世の中に出るのはとても嬉しい。
世の中に出すと、いろいろなフィードバックがあり、その中には批判も含まれています。
でも、それが健全。

オープン・イノベーションのコンソーシアム

今年は、ナインシグマさんと一緒にGlobal Open Innovation Forum(GOIF)を開催し、オープン・イノベーションについて議論をさせて頂いています。

前回は、アンダーアーマーのイノベーション担当の副社長さんに来てもらいました。
アンダーアーマーは、まだ設立してからわずか18年。
それなのに、ナイキやアディダスに次ぐブランドとしてスポーツアパレルで大きな成長を遂げています。

そこで刺激的だったのは、Future Show。
外部のアイディアを広く探索するためのプラットフォームなのですが、もうエンターテイメントとなっています。イノベーションのためのアイディアをアンダーアーマーのマネジメントに提案し、それをジャッジするのです。これによって、「イノベーションを追求している企業」というブランディングを行っています。オープン・イノベーションをマーケティングに使う新しい試みです。



2014年9月2日火曜日

コンファレンス・オーガナイザーとしての感想・反省

今年の夏は、IIR サマースクールと三菱UFJ財団国際コンファレンスの2つが続けてありました。
両方とも参加者の方々と他のオーガナイザーのおかげで、いろいろ学ぶことが多いものとなりました。いくつか感想を。

発表は、できるだけ簡潔に

  • セッションが50分で発表時間が20分なのに、30分も40分も話すのはもったいない
  • 伝えたいことが複雑だったり多かったりするのは分かるが、できるだけ簡潔に整理して伝えることは大切
  • あまりにも一方的な話が長いと、オーディエンスは疲れてくる
  • 議論をしてもらうことで、理解がさらに深まることは多い
  • しゃべりすぎるセッションが多いと、参加者の満足度が低下する
  • タイムキーパー(司会者)の時間管理大切


休憩を頻繁に・長めに




  • フィードバックやネットワーキングの宝庫なので、休憩は頻繁にやや長めに
  • 良いリフレッシュメントは、良いディスカッションを促す
  • チョコレートとかクッキーなどの甘いものは必須アイテム
  • 参加者が疲れる前に、休憩をつくる

ネットワーキング

  • コンファレンスやワークショップで昔の仲間と久々に会うのは楽しい。けど、同窓会は別でやって、せっかくなのでネットワーキングを
  • 同窓会的に固まっていると、他の人のネットワーキングもブロックしてしまうことも
  • 参加者の間のネットワーキングを高めるようなプログラムにする


ドタキャンやめて

  • 予定変更の可能性が発生したらすぐに教えてほしいと事前のアナウンスをする
  • 「申し訳ないから予定が決まったら…」と考えるのも分かるけど、予定変更の可能性ができたらすぐに教えてくれるとありがたい


2014年8月18日月曜日

落ち着いてきたアメリカのモビリティ

アメリカの労働者の移動は、他の国と比べると顕著だった。
州をまたいでどんどん移動していた。
いまだにその水準は他国と比べると高いのだけど、それがやや低下してきているというデータが。
低下は1990年から始まっている。

この前インタビューで話を聞いた人は、結婚と女性の社会進出が関係あるのではという話しをしていた。最近では、同じ学歴の人同士が結婚することが多くなってきている。つまり、大学院を出た人は、それと同じような学歴の人と結婚しやすい。
そうすると、夫婦はお互いに自分のキャリアに対してかなりシリアスになる。
その結果、どちらかが他の地域でチャンスを見つけたとしても、なかなか動きづらい。

専業主婦(主夫)が多い場合には、移動はしやすいが、お互いのキャリアが大切になってくれば来るほど、なかなか移りづらい。そのキャリア形成が、地域や企業にSpecificなものになっていればいるほど、動きづらい。

確かにありそうだ。

2014年8月17日日曜日

今年の一橋ビジネスレビューケース55本ノック

最近、ゼミでやっている一橋ビジネスレビューのビジネスケース55本ノック。
全員で読んで、それぞれのポイントを発表します。
その上で、イノベーションという観点からどれが“面白い”か、トップ10を投票で決めます。
HBR55です。

ちなみに読んだのは、以下の55本。

  1. リコー - デジタル複写機への転換
  2. 京セラ - 長寿命電子写真プロセスの技術開発と事業への展開
  3. 積水化学工業 - 合わせガラス用中間膜事業の創造と成長戦略
  4. IRIユビテック -技術ベンチャーのライフサイクル・マネジメント
  5. 日清ファルマ - コエンザイムQ10の量産化と事業化
  6. ヤマハ - 携帯電話着信メロディ・ビジネスの技術開発、ビジネスモデル構築
  7. バンダイエンタテイメント - 北米アニメ市場における新たなビジネスモデルの模索
  8. 公文教育研究会 - インドにおける理念主導型サービス・グローバル戦略の展開
  9. アサヒビール - 職場の人材形成における伝統の保持と刷新
  10. アスクル - 事業環境の変化と新しいチャネルの創造
  11. 花王 - 酵素入りコンパクト洗剤「アタック」の開発
  12. 京都市立堀川高等学校 - 学校改革の軌跡
  13. 小糸製作所 - なぜ中国進出の先駆者たりえたのか
  14. 小林製薬 - イノベーションを生み出す組織と戦略
  15. スルガ銀行 - 個人金融サービス・カンパニーへ進化し続ける地方銀行
  16. セイコーエプソン - 高精細インクジェットプリンターの開発
  17. 大修館書店 - 『ジーニアス英和辞典』の成功と書籍電子化のうねりのなかで
  18. デンソーウェーブ - QRコードの開発・事業化
  19. ハウス食品 - カレールウ製品の開発
  20. フレッシュネスバーガー - 成熟市場における後発企業の参入戦略
  21. ベネッセコーポレーション - 企業理念の追求とビジネスモデル
  22. 無錫小天鵝 - 中国家電企業の成長と落とし穴
  23. JFEスチール -大型高炉改修技術のイノベーション
  24. アンジェスMG - アカデミック・アントレプレナーシップによる事業創造
  25. ガリバーインターナショナル - 中古車流通の革新とビジネスモデル
  26. クラレ - 三位一体による顧客価値の創出
  27. サウスウエスト航空 - ポイント・システムの経営戦略
  28. セーレン - 夢と戦略が技術を開花させる
  29. ソニー - 非接触ICカード技術「FeliCa」のイノベーション
  30. パナソニック - IH調理器の開発
  31. ヤマト運輸 - 「現場の経営者」が支える競争力と彼らへの人材マネジメント
  32. ヤマハ - 電子ピアノ市場への参入とその競争プロセス
  33. ワールド
  34. 東京電力
  35. 日本写真印刷 - Nissha IMDによる躍進
  36. マブチモーター - 標準化戦略と持続的な競争優位
  37. エスビー食品 - 「食べるラー油」ブームとカテゴリー創造
  38. カモ井加工紙 - ユーザーイノベーションの事業化
  39. 劇団四季 - 演劇ビジネスのイノベーション
  40. シチズン時計 - 電波腕時計の開発・事業化過程
  41. シマノ - 部品統合による市場の創造
  42. しまむら - ローコストオペレーションの確立と新業態の開発
  43. ディスコ - 競争力の源泉としてのソリューション
  44. テルモ - 高機能カテーテル事業の躍進
  45. 日亜化学工業 - 白色LEDの開発と事業化
  46. ビットワレット - 電子マネー市場の創造と事業戦略の構築
  47. フェリカネットワークス - モバイルソリューション事業の展開
  48. 三菱電機 ポキポキモータ - 成熟市場のイノベーション
  49. ヤマト運輸 - 競争とビジネスモデルの革新
  50. リアル・フリート - 美しいカデン「amadana」が目指すデザイン・イノベーション
  51. ローソン - 「お店」としてのコンビニから「企業」としてのコンビニへ
  52. 日立ハイテクノロジーズ
  53. ロレアル - 世界最大の化粧品企業のブランド・マネジメント
  54. 富士フィルム - デジタルX線画像診断システムの開発
  55. ブックオフコーポレーション - 中古品ビジネスにおけるサービスイノベーション

この中から、ゼミ生が選んだ、2014年のトップ10は、

  1. ソニー - 非接触ICカード技術「FeliCa」のイノベーション
  2. 小林製薬 - イノベーションを生み出す組織と戦略
  3. サウスウエスト航空 - ポイント・システムの経営戦略
  4. スルガ銀行 - 個人金融サービス・カンパニーへ進化し続ける地方銀行
  5. 花王 - 酵素入りコンパクト洗剤「アタック」の開発
  6. シマノ - 部品統合による市場の創造
  7. ヤマト運輸 - 競争とビジネスモデルの革新
  8. 富士フィルム - デジタルX線画像診断システムの開発
  9. デンソーウェーブ - QRコードの開発・事業化
  10. カモ井加工紙 - ユーザーイノベーションの事業化・京都市立堀川高等学校 - 学校改革の軌跡
でした。

『一橋ビジネスレビュー』良いケースがたくさんありますよ!



2014年8月16日土曜日

差がひらく州立と私立大学

どこも地方財政が厳しいアメリカでは、教育投資が減らされている。
州立大学は厳しい。
私立との差がどんどん開いているという。
エンジニアリングとかバイオなどが強いところは良いらしい。
例えば、UCSBやUIUCは潤っている感じ。
けれど、強みがないところはかなり厳しい。

例えば、教育投資に熱心だったミシガンもUniversity of Michiganを全て以前と同じ水準で資源を配分することはできなくなっているので、Ann Arborをフラッグシップ校としているらしい。
確かに、アメリカの多くの大学のCorporate Relationに行くと、良く話に出てくるのが、このAnn Arborの話し。


2014年8月12日火曜日

アメリカの大学のCorporate Relation:アメリカの母校に久々に

久々の更新。
ノースウェスタンに久しぶりにやって来ました。
相変わらずきれいなキャンパス。でもいたるところで工事をしていました。
きれいなミシガン湖沿いに大きな駐車場ができてしまうとのこと。
残念。

ノースウェスタンに来た一番の理由は、Corporate Relationについて話しを聞くこと。
アボットからかなりの研究費をとったノースウェスタン。
面白い話をいろいろ聞けた。ジャーナリズムがかなりマーケティングのプログラムをやっている話などは面白い。

ただ、アメリカの大学をいろいろ回ってみると、やっぱりどこでも話に出てくるのはミシガン。
あと、社会科学に限っては、イギリスの大学のほうが取り組みは先進的。
日本もまだまだやることはたくさんある。






どこの建物にもガンマークが。これはとても残念。