2015年9月25日金曜日

MBAのワークショップの中間報告会

先日は、MBAのワークショップの中間報告会でした。
合計24本の発表を1日でというスケジュール。
進捗状況に差はありましたが、皆さん興味深い重要なリサーチでした。
これから、自分の一番大切なポイントが何になるのかをどんどんボイルダウンしてくれると思います。
12月の最終報告会も楽しみです。


筑波大学での合同ゼミ

毎年の恒例となっている筑波大学の生稲先生のゼミとの合同ゼミ。卒論・修論・博論の発表。最近恒例の生稲ゼミとの合同ゼミ。同じような興味関心を持っているのだけど、結構アプローチが違っていて面白い。初見の人に自分の発表を聞いてもらうのも良い。質問も多くて良い。今日の発表数は15本。



2015年9月14日月曜日

統計を使った研究が最強か?「最強なわけがない。でも、最強として社会的に構築されつつある」

「統計を使った研究が最強か?」というセッションにでてきました。

経営学の存在論的意義:統計を用いた研究が最強か?
藤田誠(早稲田大学) 三橋平(慶應義塾大学)
井上達彦(早稲田大学) 清水洋(一橋大学)
司会・コメンテーター 榊原研互(慶應義塾大学)渡部直樹(慶應義塾大学)

という豪華セッション。確かに、統計を使った研究が最近増えてきてる。
僕の考えは、「最強なわけがない。でも、最強として社会的に構築されつつある」というもの。

自分の立ち位置を再確認するう上では有意義だったし、他のパネラーの考え方も面白かったです。

写真はセッションが始まる前の会場の様子(まだ誰もいない)




2015年9月8日火曜日

一橋ビジネスレビューの新しい号ができました。

一橋ビジネスレビューの新しい号ができました。
特集は、ファミリービジネスです。
ファミリービジネスが多い日本です。ファミリービジネスに関わる方も多いはず。
ぜひ!

僕は、特集とは関係ないですが、オリンパスの内視鏡のケースとオープン・イノベーションの連載を掲載しています。これもぜひ!
オリンパスの内視鏡は、発明協会の戦後日本のイノベーション100選のなかでもトップ10に選ばれているものです。


2015年8月27日木曜日

6回目のIIRサマースクール

早いもので今年で6回目の一橋大学イノベーション研究センターのサマースクールが8月24、25日に佐野書院で行われました。今回も多くの方に参加していただきました。1日目が英語のセッション、2日目が日本語のセッションでした。どのセッションもとても刺激が多いディスカッションになったのではと思います。

今回はゲストスピーカーに『信頼の構造』で有名な山岸俊男先生をお招きしました。安心と信頼、そして社会制度との関係などとても刺激に満ちた発表をしていただきました。

サマースクールの優秀発表には、早稲田大学の豊重さんと長内さんの「許認可制度がもたらす意味的価値のジレンマ」が参加者による投票で選ばれました。おめでとうございます。

このサマースクールは、イノベーション研究を盛り上げることが目的です。若手(Young at Heartも含む)のネットワーキングや、研究上の困りごとの解決、データや方法論、共同研究者などの探索などにつながればと思っています。研究の萌芽的な段階のものや、学際的なもの、挑戦的なものを応援しています。ぜひ、来年のご参加をお待ちしています。














2015年8月20日木曜日

タイでの夏合宿

今年の3年ゼミの夏合宿は、タイでした。去年のシンガポールに引き続き、連続の海外での事業提案。しかも、今年はタイのライオンに協力していただき、全て英語でのものでした。
タイのビジネスの情報へのアクセスが難しく、なおかつ英語でのプレゼン、質疑応答と大変だったと思いますが、良い発表ができ、多くを学べたと思います。やっぱり大学生には大きなチャレンジを。
タマサート大学のスパワンさん、タイのライオンの方々、タイの如水会の吉岡さん、本当にありがとうございました。







2015年7月13日月曜日

オープン・イノベーションのマネジメント

有斐閣から『オープン・イノベーションのマネジメント』を出版しました。
(今年の3月ですので、4ヶ月ぐらい前ですが)。

これは、DSMやナインシグマらに大きなサポートを頂いて、企業のCTOレベルの方々とのワークショップを通じての議論の成果です。その中では、日本企業のオープン・イノベーションについてさまざまな観点からの議論がされたり、グローバルのベストプラクティスが紹介されたりと、大変有意義なお話を聞くことが出来ました。



今年のケース56本ノック

今年も、『一橋ビジネスレビュー』のビジネスケース、56本ノックを行いました。




そこで、「新しさ」や「イノベーション」という観点から、ケース総選挙でベスト10を選びました。
ベスト10は以下です。

ベスト10
1位:スルガ銀行 - 個人金融サービス・カンパニーへ進化し続ける地方銀行
2位:しまむら - ローコストオペレーションの確立と新業態の開発
3位:日本コカ・コーラ 新型自動販売機「ピークシフト自販機」の開発と事業展開
4位:ヤマハ - 携帯電話着信メロディ・ビジネスの技術開発、ビジネスモデル構築
5位:アスクル - 事業環境の変化と新しいチャネルの創造
6位:劇団四季 - 演劇ビジネスのイノベーション
7位:ヤマト運輸 - 競争とビジネスモデルの革新
8位:小林製薬 - イノベーションを生み出す組織と戦略
9位:京都市立堀川高等学校 - 学校改革の軌跡
10位:ブックオフコーポレーション - 中古品ビジネスにおけるサービスイノベーション

ビジネスレビューのケースで読んだのは、以下の56本です。

1 リコー - デジタル複写機への転換
2 京セラ - 長寿命電子写真プロセスの技術開発と事業への展開
3 積水化学工業 - 合わせガラス用中間膜事業の創造と成長戦略
4 IRIユビテック -技術ベンチャーのライフサイクル・マネジメント
5 ヤマハ - 携帯電話着信メロディ・ビジネスの技術開発、ビジネスモデル構築
6 公文教育研究会 - インドにおける理念主導型サービス・グローバル戦略の展開
7 アスクル - 事業環境の変化と新しいチャネルの創造
8 花王 - 酵素入りコンパクト洗剤「アタック」の開発
9 京都市立堀川高等学校 - 学校改革の軌跡
10 小糸製作所 - なぜ中国進出の先駆者たりえたのか
11 小林製薬 - イノベーションを生み出す組織と戦略
12 スルガ銀行 - 個人金融サービス・カンパニーへ進化し続ける地方銀行
13 セイコーエプソン - 高精細インクジェットプリンターの開発
14 大修館書店 - 『ジーニアス英和辞典』の成功と書籍電子化のうねりのなかで
15 デンソーウェーブ - QRコードの開発・事業化
16 ハウス食品 - カレールウ製品の開発
17 フレッシュネスバーガー - 成熟市場における後発企業の参入戦略
18 ベネッセコーポレーション - 企業理念の追求とビジネスモデル
19 無錫小天鵝 - 中国家電企業の成長と落とし穴
20 JFEスチール -大型高炉改修技術のイノベーション
21 アンジェスMG - アカデミック・アントレプレナーシップによる事業創造
22 ガリバーインターナショナル - 中古車流通の革新とビジネスモデル
23 クラレ - 三位一体による顧客価値の創出
24 サウスウエスト航空 - ポイント・システムの経営戦略
25 セーレン - 夢と戦略が技術を開花させる
26 ソニー - 非接触ICカード技術「FeliCa」のイノベーション
27 パナソニック - IH調理器の開発
28 ヤマハ - 電子ピアノ市場への参入とその競争プロセス
29 日本写真印刷 - Nissha IMDによる躍進
30 マブチモーター - 標準化戦略と持続的な競争優位
31 JSR - テクノロジーとマーケットの複雑性に挑む
32 エスビー食品 - 「食べるラー油」ブームとカテゴリー創造
33 カモ井加工紙 - ユーザーイノベーションの事業化
34 劇団四季 - 演劇ビジネスのイノベーション
35 シチズン時計 - 電波腕時計の開発・事業化過程
36 シマノ - 部品統合による市場の創造
37 しまむら - ローコストオペレーションの確立と新業態の開発
38 日亜化学工業 - 白色LEDの開発と事業化
39 ビットワレット - 電子マネー市場の創造と事業戦略の構築
40 フェリカネットワークス - モバイルソリューション事業の展開
41 ヤマト運輸 - 競争とビジネスモデルの革新
42 ロレアル - 世界最大の化粧品企業のブランド・マネジメント
43 富士フィルム - デジタルX線画像診断システムの開発
44 ブックオフコーポレーション - 中古品ビジネスにおけるサービスイノベーション
45 東レ - 逆浸透膜事業の創造プロセス
46 日東電工 逆浸透膜市場におけるシェア逆転のプロセス
47 カシオ計算機 「G-SHOCK」製品開発とブランド構築の歴史
48 味の素 健康リスク解析サービス「アミノインデックス」の事業化におけるコラボレーション
49 パナソニック モノリシック2波長高出力半導体レーザー キャッシュカウを育てる成熟市場での戦略
50 東洋紡 逆浸透膜の開発と事業展開
51 コニカミノルタ ヨーロッパにおけるカラー複合機の躍進
52 日本コカ・コーラ 新型自動販売機「ピークシフト自販機」の開発と事業展開
53 資生堂 グローバル展開 中国における「おもてなし」サービスの活用
54 新日本製鐵 コークス炉化学原料化法による廃プラスチック処理技術の開発と事業化
55 住友電気工業 研究開発と事業化戦略の転換 
56 日清ファルマ:コエンザイムQ10の量産化と事業化



2015年5月7日木曜日

清水ゼミ4期生

清水ゼミの第4期が先月スタートしました。
4期生はこれまで最多の14名。
これから楽しみです。

今年もディプロマシーをやりました。
フランスとトルコが優勝でした。
OBもかけつけてくれました。こういうの嬉しいよね。



2015年3月15日日曜日

今年卒業の第2期生へのリーディングアサインメント

清水ゼミの第2期生が卒業します。
寂しさもあるけれど、これからの活躍が今から楽しみでもあります。

彼らにアサインしたリーディングのリスト。



  • 『イノベーションマネジメント入門』
  • 『モジュール化 新しい産業アーキテクチャの本質』
  • 『制度・制度変化・経済成果』
  • 『数値と客観性――科学と社会における信頼の獲得』
  • 『日本企業の競争戦略』
  • 『知識創造企業』
  • 『イノベーションの収益化』
  • 『科学革命の構造』
  • 『経営者の時代』
  • 『市場を創る』
  • 『消えゆく手(第4-5章)』
  • 『なぜ豊かな国と貧しい国が生まれたのか』


論文

  • Dynamic Model of Process and Product Innovation
  • Vertical Integration, Appropriable Rents, and the Competitive Contracting Process
  • On Technological Expectations
  • Industrial Organization and Technological Change
  • 『企業の本質(第2章)』
  • Technological Discontinuities and Organizational Environments
  • Clio and the Economics of QWERTY
  • The Direction and Technological Change: Inducement of Mechanisms and Focusing Devices


これにケース55本です。




2015年2月27日金曜日

セレンディピティのマネジメント

もしも、フレミングが大規模な研究チームの一員で、そのチームに生産性の高いプロジェク・マネージャーがいたとしたら。ペニシリンは発見されたのか?

長岡先生のプロジェクトでの科学者サーベイの成果の1つが出ました。
このサーベイは、日米の科学者への大規模なものです。サーベイの基本的な発見は、こちら

このプロジェクトのなかで、この論文はセレンディピティのマネジメントを分析したものです。
セレンディピティは、マネジメント可能なのでしょうか。
この論文では、セレンディピティはマネジメントできるが、それには生産性の犠牲が伴う可能性を示唆しています。

科学の研究チームが大規模化する中で、プロジェクトマネージャーとサイエンスのマネジメントの役割が大きくなっています。




2015年2月14日土曜日

今年の卒論タイトル

今年度の卒論のタイトルです。14名が卒論を書き上げました。
イノベーション研究どまんなかのものや、今すぐにでも新書になりそうなもの、もっと深堀りしてほしい重要なテーマを扱っているもの、いろいろです。
  • 『企業は慣習を生み出すことができるのか:バレンタインデー、サン・ジョルディの日の分析』 
  • 『ブランドロイヤリティがもたらすアイデンティティの形成と企業経営への影響力:なぜジャニーズアイドルはいつまでも世の女性たちを魅了し続けるのか』
  • 『電機産業における研究開発の多様性と技術の質に関する実証分析』
  • 『観光事業におけるゆるキャラの有効性−ゆるキャラに頼らない観光事業』
  • 『電子書籍はなぜ普及しないのか:出版産業に根付くイノベーションの普及を阻害する「制度」の存在』
  • 『選択肢の増大と購買決定における専門家の権威:映画賞は興行収入に貢献するか』
  • 『新興国市場参入と制度設計:戦略的International Corporate Volunteeringの活用』
  • 『なぜ既存住宅の取引量は増えないのか?—取引費用の観点から探る—』
  • 『産業構造がイノベーションに与える影響~なぜ日本のトイレはハイテク化したのか~』
  • 『地域金融機関のリレーションシップバンキング:第四銀行のリレーションシップバンキングの機能は強化されたのか』
  • 『ブランディングに対するイノベーションの重要性:グッチはなぜ復活することができたのか』
  • 『コンピュータが産業構造を変える:航空機産業サプライチェーンの変革を通じて』
  • 『同人誌からみるサブカルチャーの市場化メカニズム』

2015年2月6日金曜日

オープン・イノベーションのフォーラム

3月31日にオープン・イノベーションのフォーラムを行います。
東レやユーグレナ、GE、味の素、ナインシグマに興味がある人も、オープン・イノベーションに興味がある人も、ぜひ!




2015年1月29日木曜日

オープン・イノベーションはイノベーションのスピードを上げるのか

オープン・イノベーションのコンソーシアムをやっていると、「実際にどのくらいのコストの節約になるのか」、「どのくらいのスピードアップにつながるのか」という質問がよくある。

コストの節約やスピードは測るのがとても難しいのですが、利用可能なデータで測ってみたというワーキングペーパーを書きました。


大河内賞を使って分析をしてみると、19.9~32.2%のスピードの短縮が見られています。研究開発費の多くは人件費です。したがって、コストもおおよそ20~30%のカットとなります。
詳しくは、ワーキングペーパーをぜひ見てみて下さい。


2015年1月1日木曜日

去年の反省

 去年(2014年)は、大学の産学連携のプロジェクトや自分の半導体レーザーのイノベーションのプロジェクト、Global Open Innovation Forumなどを通じて、とにかくいろいろな方にお会いした1年だった。
 
去年の学び

  1. 人に会うことについて:もちろん、良い話が聞けるかどうかは、こちらがどれだけ準備をしているかにかかっているのだけれど。
  2. ジャーナルについて:2014年にはちゃんとしたジャーナルに論文がだせなかった。R&Rはあるものの、Publishはできなかった。毎年少なくとも1本はと思っていたので、これは残念。でも毎年1本だそうとすると、リサーチが大変。しっかりとリサーチをしたうえで、2年で2本、3年で3本などの方が現実的なのかも。
  3. 自分のバウンダリーについて:2014年にはこれまでの研究のまとめフェーズに入っていたこともあり、どうも自分のバウンダリーを広げるようなことが少なかった。2015年は研究も新しい領域に入っていこう。


 プライベートでは、テニスでもう少し活躍したいところ。